Barros-Keiコラムとは?

フィリピンにおける裁判手続きや結婚手続きなどで多くの誤認情報をネットで見かけます。またフィリピン人からの古い口コミ情報を信じている人も沢山います。以前日本のかなり手広くやっている行政書士グループ会社ウェブサイトに、当社の文章を丸々パクられたことがあります。責任者にすぐにクレームを出し全て削除させました。たとえ肩書きが弁護士や行政書士であっても、日本にもフィリピンにも専門知識のない業者は数多くいます。しかし知識や情報を持っていない依頼者の方たちは、その肩書きを信じて頼るしかありません。そういう現状から本コラムが、これからフィリピンで何かアクションを起こそうとする方たちのために、少しでも役立つものになればいいと思います。また立派な肩書きを持つ人たちは、それに恥じないようもう少ししっかりと勉強してから情報を発信すべきです。そもそも知識や経験というものは、フィリピンに長く在住しているから自動的に得られるというものでは絶対にありません。同じようなレベルの人間としか交流がないのであれば、たとえ50年在住していようとも、濃い日々を過ごした人の1ヶ月にも及ばないことがあるのです。当コラムの目的はそれらを正し正確且つ最新の情報を伝えることにあります。
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2014年1月18日土曜日

フィリピン人との国際結婚について

国際結婚の定義
国際結婚は日本では英語で【International Marrige】と訳すことが多いですが、これは英語圏の国では違和感があります。正確には【Marriage between Two People from Different Countries】、つまりは『国籍が違う者同士の婚姻』を言います。

日本は単一民族がその殆どを占める特殊な国家ですので、外国との関わりを何でも【国際】とつける傾向があります。しかし多民族国家が多い英語圏の国ではこの言葉自体非常に違和感があるのです。外国人との婚姻が少しも珍しくないフィリピンでもそれは同じです。

国際結婚は当事者の異なる国家の法制度要件を満たした上で、当事者の両国に於いて合法的に承認された婚姻という定義になるのです。フィリピン人との国際結婚数は減少していますが、依然として相手国籍では中国に次いで2番目に多く、年間3,000組以上で推移しています。

1種類しか婚姻方式を持たない日本人は他国の方式に無理解
結婚の理由としては日本人の経済力、在留資格・就労目的などがあるでしょうが、どのような経緯にしても日本では結婚は届出だけで簡単に成立します。いわゆる民事婚の中の届出婚です。世界から見ればこれは特殊な婚姻方法です。日本では神前式や教会式などで結婚式を行いその前後に婚姻届出をするのが一般的ですが、これは宗教婚とは全く関係がありません。民事婚の中のイベント付き届出婚と言うべきかもしれませんが、日本で行われている婚姻は単なる届出婚に過ぎないのです。このことを勘違いされている方が多いようです。

ハロウィン、クリスマス、バレンタイン、年始参拝などと同じと考えて下さい。日本人はその宗教に対する敬虔さの度合いで分類すれば殆どの人は無宗教になるのですが、外国では仏教徒と考えられていることが多いということも付け加えておきます。

フィリピンでの婚姻はカトリック教会による宗教婚か民事婚の儀式婚が一般的です。経済的理由や相手が離婚歴がある、異なる宗教や無宗教である場合は、教会での宗教婚は困難ですので民事婚の中の儀式婚となるのが殆どです。

フィリピン人との婚姻手続きは簡単だが
日本人がフィリピンに於いて結婚式を行う場合は民事婚【Civil Wedding】の中の儀式婚が多く、然るべき場所で婚姻儀式の法的執行権限がある人物によって行われます。婚姻後は日本の役所に、またフィリピン在住の方は在フィリピン日本大使館に婚姻の報告的届出を行います。

日本に在住するフィリピン人と結婚した場合は役所に婚姻届を提出する民事婚の中の届出婚になりますが、本国にも届け出る必要がありますので駐日フィリピン大使館・領事館に於いてその手続きを行います。この場合戸籍謄本や婚姻受理証明書、婚姻届記載事項証明書などの提出の他に、駐日フィリピン大使館・領事館書式の婚姻届や宣誓供述書などに婚姻した両当事者が署名を行うので、これは相手方の大使館に於いて結婚する外交婚と同じ方式になります。

フィリピンに於ける婚姻手続き自体は難しいことではありません。少なくとも2回フィリピンに渡航できれば結婚式までは出来ます。18日間ほど連続して滞在出来るのならば1回の渡航でも可能です。しかしその先の手続きが一番重要なのであって、このことを理解していないフィリピン人が多いです。もし何らかの問題で日本に招聘出来なければ何のために費用をかけてフィリピンで結婚式までやったのか、ということになってしまいます。フィリピン人が自分の問題を問題として認識出来ていないことも原因の一つであったりします。 

日本人は結婚も離婚も簡単にできてしまうので離婚歴が4、5回ある人も珍しくなく、離婚した同じ相手と縁りを戻し再婚するという離れ業も日本人とフィリピン人の間でも多くなっています。