Barros-Keiコラムとは?

フィリピンにおける裁判手続きや結婚手続きなどで多くの誤認情報をネットで見かけます。またフィリピン人からの古い口コミ情報を信じている人も沢山います。以前日本のかなり手広くやっている行政書士グループ会社ウェブサイトに、当社の文章を丸々パクられたことがあります。責任者にすぐにクレームを出し全て削除させました。たとえ肩書きが弁護士や行政書士であっても、日本にもフィリピンにも専門知識のない業者は数多くいます。しかし知識や情報を持っていない依頼者の方たちは、その肩書きを信じて頼るしかありません。そういう現状から本コラムが、これからフィリピンで何かアクションを起こそうとする方たちのために、少しでも役立つものになればいいと思います。また立派な肩書きを持つ人たちは、それに恥じないようもう少ししっかりと勉強してから情報を発信すべきです。そもそも知識や経験というものは、フィリピンに長く在住しているから自動的に得られるというものでは絶対にありません。同じようなレベルの人間としか交流がないのであれば、たとえ50年在住していようとも、濃い日々を過ごした人の1ヶ月にも及ばないことがあるのです。当コラムの目的はそれらを正し正確且つ最新の情報を伝えることにあります。
注)当コラムの著作権は全てBarros-Kei Corporationに帰属します。これらのファイルを許可無く複製、転載、流用することを禁止します。

会社ウェブサイト   Facebook公式ページ    Twitter公式アカウント

2014年1月30日木曜日

フィリピン人との離婚に至る現状について(前編)

日比カップルの離婚率が高い?
もうかなり前になりますが、夫が日本人で妻がフィリピン人のカップルの離婚率は約40%、夫がフィリピン人で妻が日本人のカップルは約70%というニュースを目にしました。この数値について私は違和感を持っており、出所が政府機関であっても情報操作的な臭いを感じています。また偽装結婚なども一緒くたにした数値でしょうから、これを以ってフィリピン人との結婚が失敗に終わる可能性が高いと断じることは出来ないでしょう。

失敗したケースではその原因は出会いの方法に帰することも多いと考えます。日本人男性とフィリピン女性の出会いの場所は、1980年代に始まり80年代後半から1990年代を最盛期とし2004年頃まではそれなりの隆盛が続いたフィリピンパブ、日本人女性はディスコやクラブなどといった日本国内が主でした。この時代、特に最盛期に結婚した方々の離婚率はそれほど高くないはずです。

興行ビザ取得規制から拙速な出会いが増加
一方2005年以降は日本での就労、特に興行ビザのハードルが高くなったこと、そしてフィリピンでもインターネット環境が向上してきたこともあり、彼女たちはネットでの交際や出会いのチャンスがあるネットカフェへと舞台を移し、ライブチャットや援助交際サイトなどでの出会いが増加しました。現在ではスマートフォンの爆発的な普及もあってこの傾向はさらに強まっています。

フィリピン人のこれらの選択肢で援助交際サイトは少ない金額ならば容易に収入を得ることができるため、英語ができるフィリピン女性にとって非常に都合の良い手段でした。ネットの向こうで援助してくれる外国人は無数にいるからです。彼女たちのターゲットは英語圏の欧米が中心でしたが、次第にその存在が知られるようになり日本人も流入してきました。ネットをあまり利用しない日本人は直接フィリピンに渡航し、KTVやゴーゴーバー、援助交際カフェにその場を求めました。ビザ厳格化に伴う偽装結婚の増加やこのような出会いの場の変化が、その後に続く婚姻生活に大きな影響をもたらしました。

昔のフィリピン人は良かった!?
最盛期には高い競争率を勝ち抜き日本に就労に来ているため、フィリピン人は容姿や教養、能力だけでなく仕度費用も求められました。初来日であれば借金した費用を3ヶ月働いてやっと返せるだけになるか、一回6ヶ月間の就労では足りない場合もあったでしょう。しかし借金を出来るのは本人や家族に借りれるだけの素養が必要なので、全くの極貧層では初めから相手にされません。つまり最盛期に日本、とりわけ大都市部で就労していたフィリピン人は、現在よりもレベルが高くその数も非常に多かったのです。その中から日本人と結婚し破綻せずに生活しているフィリピン人は、ある意味勝ち組といえるでしょう。

幸福な国際結婚のカギは日本人が風習・文化を深く理解できるかどうか
一方、現地のKTVやゴーゴーバー、援助交際カフェで結婚する気はなくても王子様が現れる機会を窺がっているフィリピン人は、すでに負け組なのです。とういうのはたとえ日本に就労で行く事が難しくても、シンガポールなど興行で就労できる国は他にもあるからです。フィリピンから距離も近く仕度費用も日本ほどかかりません。現地にいるしか選択肢がない人は表現は悪いですが殆どが残りモノなのです。

しかしこのような場所での出会いであっても素朴、素直な女性もいますし、日本人がフィリピン人のそういう境遇を理解できるのであれば、婚姻生活を開始してから出て来る幾多の障害も乗り越えられるものです。問題は日本人がそれをどの程度まで把握できているのかということです。

中編に続く