Barros-Keiコラムとは?

フィリピンにおける裁判手続きや結婚手続きなどで多くの誤認情報をネットで見かけます。またフィリピン人からの古い口コミ情報を信じている人も沢山います。以前日本のかなり手広くやっている行政書士グループ会社ウェブサイトに、当社の文章を丸々パクられたことがあります。責任者にすぐにクレームを出し全て削除させました。たとえ肩書きが弁護士や行政書士であっても、日本にもフィリピンにも専門知識のない業者は数多くいます。しかし知識や情報を持っていない依頼者の方たちは、その肩書きを信じて頼るしかありません。そういう現状から本コラムが、これからフィリピンで何かアクションを起こそうとする方たちのために、少しでも役立つものになればいいと思います。また立派な肩書きを持つ人たちは、それに恥じないようもう少ししっかりと勉強してから情報を発信すべきです。そもそも知識や経験というものは、フィリピンに長く在住しているから自動的に得られるというものでは絶対にありません。同じようなレベルの人間としか交流がないのであれば、たとえ50年在住していようとも、濃い日々を過ごした人の1ヶ月にも及ばないことがあるのです。当コラムの目的はそれらを正し正確且つ最新の情報を伝えることにあります。
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2015年4月8日水曜日

ビザ代理申請機関日本人スタッフの「無知と無礼さ」

もう数ヶ月前の話になりますが、当社を通じてフィリピン人3名がビザ申請を行った時のことです。

普通の親族訪問ビザ申請でこの3名は代理申請機関である某旅行代理店に於いて手続をしました。当社では通常他の場所にある同社支店で行っていたのですが、この時は申請者の居住地に一番近い場所で手続をすることになったのです。そして初めての場所での申請ですので視察を兼ねて私も同行しました。

この申請者たちはすでに1年前も同じビザ申請を行っています。一人は当社により婚姻無効裁判を開始した直後でしたが、何の問題もなく取得でき来日を果たしています。

申請当日その旅行代理店には現地採用の日本人スタッフが1名でした。このスタッフはタガログ語が話せる日本人ですが英語はよく理解できない、というよくある現地採用者のパターンでした。この男は太っていて色黒だったので私は最初フィリピン人かと思っていました。そして書類審査が始まりましたが、店内は申請者で溢れ返っていたため私は外で待つことにしました。

暫くして申請者が私のところに戻ってきて、書類不足で受理してくれないと言います。今回2回目の来日ですが油断せずに前回よりも更にサポート書類も揃えたにも拘らず。

そこでその日本人スタッフのところに行き理由を聞きました。彼は「日本人の身元保証人/招聘人と申請者の内の一人とが一緒に写っている写真がない。これはRequirements(必要書類)だから」とタガログ語で言います。

私はタガログ語はかっこ悪い言葉で話すのは抵抗感があるため、いつも通り英語でその男に反論しました。

「大使館ビザ申請必要書類で明記しているものがRequirements。写真は大使館が疑義がある場合に要求する追加書類、サポート書類に過ぎない」

この男はそういった基本的な知識すら理解していない。しかも私が英語で文句を言ったため彼は良く理解できず緊張を誤魔化すように書類のホチキス止めを始めました。態度が気だるそうで非常に横柄、何だ、コイツという感じで書類を偉そうに処理している。しかもまだRequirementsだと主張し続けながら。

この男は代理申請機関の単なるスタッフです。何の権限も持たない人間であるにも拘らず彼の態度は大使館の領事すら絶対にとらない酷いものでした。

そして何を思ったのか急に話題を変えて、「Annulmentまだ終わってないだろ。何でそんなに時間がかかっているの。いんちきなところに頼んで騙されているんじゃない?俺に頼べば半年で終わるのに」という馬鹿なことを言い始めました。

婚姻無効裁判は開始してからまだ1年半です。正規の手続ならば終わるわけはないのです。

この男は自分が何を言っているのか分かっていません。彼の立場は申請書類を確認し代理で受理するスタッフなのです。何故、婚姻無効裁判の話になるのか?また彼は裁判手続を全く理解していないだけでなく、自分に頼めば早く終わらせることができると勧誘しています。しかも半年で終わることは法規則上絶対に有り得ないことなので、不正をしますよ、と言っているのと同じことになります。

しかしビザ取得することが目的ですので、このスタッフを私が怒っても意味を成しません。ビザ申請手続で嫌がらせをされても申請者に迷惑がかかるだけです。そこで妥協点として申請者の内の一名と日本人の方の写真がない理由書を作成し提出することで受理してもらいました。ビザが問題なく取得できたのは言うまでもありません。

この代理店の各支店を統括する責任者も現地採用の日本人です。彼は以前私と話をした時に婚姻無効裁判や離婚承認裁判を相談されることが多いと言っていました。その口ぶりから顧客を斡旋してコミッションを取りたい意図を感じましたので、私はその話題を逸らしそれ以来挨拶程度の話しかしていません。

彼がその後大使館周辺の業者と組んでそれを行っているのか不明ですが、法規制では弁護士を斡旋しコミッションを得ることはできないのです。大使館周辺にもその資格が無いのに斡旋している業者が多々存在している。ましてや裁判が早く終了することなどを謳っているのならば、これはもう不正を行っていると明言しているのと同じなのです。

何れにしても私は機会を見てこの責任者にスタッフのことを話し彼の解雇を請求するつもりですが、責任者が言い逃れをし不問に付そうとするならば、大使館にこの旅行代理店に対する代理申請機関資格取消を申し立てる予定です。

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2014年12月20日土曜日

フィリピンの裁判で失敗しないために

偽造文書、偽装裁判などの被害について今まで記事にしてきましたが、今回は離婚承認裁判や婚姻無効裁判を依頼するにあたり、「失敗しない/失敗するリスクを減らすためにはどうすればいいのか」というテーマでお話します。

1.フィリピン人の伝手では探さない。
フィリピン人のネットワークを使っても情報が古かったり不明確なものが多いので安易に信用しないことです。裁判手続は年々厳格化しており「私のときはこうだった」などという情報は全く役に立ちません。ここで決めてしまうような方は100%失敗すると断言します。

ただ頭ごなしに否定してしまうとフィリピン人の立場やプライドもありますし、それが婚約者の伝手であったならばその人間関係に支障をきたすこともあるでしょう。このような場合でも自らWebサーチで情報を得る作業を続けながら、任せている振りをして最終決定は自分がするという鷹揚な構えでいることです。少なくともフィリピン人に丸投げするようなことは愚挙であることを認識しておくべきです。

2.日本の行政書士でも無条件には信用しない。
行政書士にはネットワークを構築し組織化して業務を行っているところも多くなってきています。掲載されている文章をよく読むことが重要です。得てして行政書士には勉強不足で文章力が欠ける人間が多いのでホームページが立派でも文章内容がスカスカというものも見受けられます。ホームページだけでなくブログでもパクリが多くあります。

「裁判をしなくても結婚できる方法を発見しました」などという文言掲載しているのも見掛けますが、大体にそんなことを「発見」という言葉を使うことからして日本語能力のなさを露呈していますし、コンテンツのもって行き方が詐欺商法のウェブサイトに似通った順序になっています。所謂読み手に質問を投げかけながら答えも言っている誘導サイトです。行政書士の殆どはマクロな定性情報だけしか持ち合わせていないのです。

事例やQ&Aも掲載しているようなホームページを熟読してここなら頼めるかなという所があれば事前にある程度の裁判知識や情報を仕入れておいてから電話で問い合わせをしてみると良いでしょう。そこで納得できる説明を聞くことができれば契約していいと思います。ただし必ず契約書内容を確認し不明な点は問い合わせることが重要なのは云うまでもありません。

メールで問い合わせをするのが相手が何を言ったのか証拠として残るので後々のためには最善の策です。ただし返信に日数が必要以上にかかるのは対象外とします。あとは返信内容。やはり納得ができるようなものかどうかです。中身がなければ対象外とします。

なぜこのようなことが必要なのかと言えば、日本の行政書士はフィリピンで訴訟を起こせる権限はもちろんありませんが、結局はフィリピンの業者や弁護士の伝手を頼り仕事を振るだけだからです。法廷の証言台に立ったこともなければ傍聴したことさえないのです。当然英語力も必要になります。問い合わせが来ても詳細に説明できるはずがありません。

訴状をよく読み、判決文や審決証明もしっかりと読んでいる人ならば、内容はある程度は把握できるでしょうし、原告弁護士と進捗について常に連絡を取り合っている人であれば、裁判手続の流れが理解できてくるはずです。依頼を決定するまでの重要点はそこにあるのです。

数は多くはないですが職業意識が高く、自らがフィリピンに何度も足を運んで裁判所を訪れている行政書士の方もいます。日本の行政書士に依頼するならばこのように努力を惜しまない方を選ぶべきでしょう。

肩書きが行政書士や弁護士であってもフィリピンでは無力です。彼らは単なる仲介者に過ぎないこと、仲介者がいるということはその分費用がかかるということ、フィリピン人関係者をマネージメントできる人間がいなければ手続がいい加減になることを忘れてはいけません。そういう人間はメールでの言葉遣いや言い回しでボロを出しますので判断できると思います。

3.英語力に自信があるなら自力でフィリピンの弁護士を探す。
少なくとも英語である程度理解できるならば自分で探してみる努力をすべきです。直接話しができてメールのやり取りができる弁護士が見つかれば、会話を繰り返すうちに弁護士の資質も分かってきます。知識や経験がない弁護士は質問を繰り返していると、面倒臭がり返答してこなくなったり信じることができないのかと怒ったりします。

信用できないのかというのはフィリピン人が日本人を謀るときに使う得意手口ですので、そういう言葉を吐いた瞬間に信用度ゼロと判断すべきです。そして大体はこの時点で単に金目当てのバカかどうか見当がつきます。

4.契約で裁判手続のどこまでカバーしているのか確認する。
意外と知られていないのですが実はこれが一番重要なことです。

弁護士の業務は提訴状準備に始まり公判への出廷、そして判決文取得までです。しかしフォローアップがこれだけでは終わったことにはなりません。再婚を目的とするならばフィリピン統計庁(PSA/旧NSO)に注釈付の前婚姻証明書を取得するまではこの手続が終わったわけではないのです。

しかも判決文取得までの仕事に支払う弁護士報酬(アトーニーズ・フィー/Attorney's Fee)は20万ペソが相場で、フリーランサーの弁護士ならば30万ペソまで請求してきます。

日本人が費用を聞くと全ての弁護士はこのAttrney's Feeを提示します。ここで多くの日本人の方はAttorney's Feeを裁判費用と勘違いしてしまいます。彼らはできる限り多くの付加報酬を得ようとしますから、裁判に関わる全ての手続費用、交通費、食費などの諸費用は別途に請求してきます。

現実としては、判決文が交付されてからが手続の最終段階となり、判決告示、法務局、検察総局の審査を経て審決証明及び登録命令取得手続、登録移管手続、4~5ヶ月かかった上でやっと注釈付前婚姻証明書を手にすることができるのです。

この最終段階の手続には弁護士は関わりません。彼らの仕事はその前で終わっているからです。それではこの手続は誰が行うのでしょうか?誰も行いませんし別途依頼すればまた費用がかかります。放置してもいつかは登録されますがそれが半年先か1年以上先のことになるかは誰にも責任が持てません。

私が一番重要と考えるのはそういった理由からです。そこまでを全てカバーしている契約が可能なところを前提に見極めなければなりません。

5.まとめ
今年の中頃からまたまた手続の期間が長引くようになりました。法務局や検察局、民事登録局が裁判所に判決文の真偽を確認する方法が一層厳格化されたからです。どういう機関での手続が厳格化され要件は何かについてはパクられるのでここでは言及しませんが、裁判手続というのは常にアップデートが必要であり、それは毎年数多くの事件を扱っていなければ分からないことなのです。

アップデートされた情報で対応できない弁護士がいたら、それは客がいない=金に困っている弁護士と考えて間違えありません。中には弁護士資格を更新する金もなく、案件を取ると他の弁護士に任せてしまう最悪な者もいるのが現実なのです。これでは仲介者と同じではありませんか?

手続の厳格化は偽装・偽装・不正手続が多くなったからに他ありません。また偽造・偽装・不正という馬鹿げたことをする90%以上は恥ずかしいことに日本人関係なのです。まともに取り組んでいる人間にとってこういう日本人たちの存在は迷惑以外の何者でもありません。彼らはフィリピンに在留していることだけをアドヴァンテージにし、さも何でも知っている振りをしている人間たちなのです。

こういう人間に任せてしまうと仲介者としての取り分も上乗せされ最終的にAttorney's Feeの1.5~2倍の費用がかかる結果となります。仲介者は厳密に言えばフィクサー/Fixerの範疇に入るのでアンチ・フィクサー法に抵触しています。日本の法律に関係ないフィリピンの裁判なので、広義に考えれば行政書士や弁護士だろうが内政干渉となりそこに報酬があればフィクサーと見做されます。もし滞在中に訴えられでもすれば身柄拘束や罰金ということも可能性ゼロではないことを知るべきです。

2年ほど前に日本の弁護士が離婚承認裁判に証人として出廷したのを傍聴しました。彼は英語が上手く話せないので通訳が付きました。しかし残念ながら日本の協議離婚制度を彼が説明し裁判官に納得してもらうことは土台無理な話でした。弁護士であろうと先ず英語が理解できない、そして何よりカトリックに基づくフィリピンの婚姻契約制度を理解していない日本人が証言台に立っても、無力な存在でしかないのです。

裁判手続はマネージメントがしっかりしていても思うに任せない進捗になることがあります。しかしそれに対し怒って督促を繰り返したりすれば、関係者を焦らせ偽造に走ることもあるので最悪の結果になってしまいます。裁判手続終了をただ待つ身の方々にとってはかなりの精神修練を強いられますが、進捗に一喜一憂せずにどっしりと構え何事にも動じない精神力が必要です。

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2014年8月8日金曜日

フィリピン離婚承認裁判/不正で2つの地方裁判所が引き続き監視リストに

この画像は当社の離婚承認裁判手続によって昨年10月に判決文が交付され、本年2月に取得した離婚承認注釈が付与されたNSO(国家統計局)前婚姻証明書です。

順に説明すると 
1.向かって左側が戸籍謄本に基づく日本での離婚年月日、当事者氏名の注釈 
2.右側がマロロス市地方裁判所による離婚承認の注釈 
離婚承認裁判注釈はこのように必ず左右に注釈が入ります。

しかしこの文書では下にも右側と同じような注釈が入っています。何故なのかお分かりになりますか?

そうです。 
右側は不正が蔓延っていることで有名なマロロス市地方裁判所に於いて、裁判文書偽造により不正登録申請された結果、国家統計局(NSO)が登録してしまったものです。

これをつかまされた人は日本で再婚手続をするため駐日フィリピン大使館で婚姻要件具備証明書の申請をしましたが、本国への確認によって正規の裁判手続を経て登録されたものではないということで申請が却下されました。マロロスでの裁判手続は、その方の母親が在比日本大使館周辺のマドリガルコンパウンドにある業者に依頼したものでした。その業者はすでに会社を閉鎖し行方が分からなくなっています。(当社の勧めによりその顧客は詐欺罪及び損害賠償請求で同社を提訴中。日本の行政書士にはこの周辺の業者に裁判を丸投げしている輩が多い)

その方は在留期限が迫っているため行政書士、弁護士などを含めいろいろな人にあたりましたが、それぞれ言うことが異なり十分な知識もない様子だったので、最終的に離婚承認裁判と結婚手続の顧客で、すでに再来日をしているフィリピン人の友人と日本人夫の薦めを聞いて当社に依頼してきたのです。

マロロス市地方裁判所に於ける調査では、民事事件番号や担当裁判官は確かに存在するが全くの別事件であることが判明しました。そもそも離婚承認裁判は民事事件番号ではなく特別訴訟番号になります。業者はそのことが理解できていなかったのでしょう。見る人が見ればすぐに偽造だと判ってしまう子供騙しです。そこで当社専属弁護士によりNSOに申立をした上で、新たに違う地方裁判所に於いて離婚承認裁判を行いました。提訴前には在留期限が切れるのでこの方は帰国しています。

そうして約10ヶ月かけて審決し更に4ヶ月かけてNSO登録に至ったのが、最初の画像の注釈付前婚姻証明書なのです。当社にはこのように意図せず被害者となってしまった方が相談に来て、お話した結果裁判をやり直している顧客が現在4名います。

このような不正は日本人業者を中心に頻繁に行われています。マロロスの他にはカビテ州イムスが未だに数が非常に多い。この2箇所の地方裁判所は昨年NSOの監視リストに入ったにも拘らず、一向に改善が見られないということで都合5年間監視リストから外れることはなくなりました。

依頼者の自業自得/自己責任と言えばそれまでですが、原因は依頼者が早く裁判が終わることを最優先してしまうからです。そういう需要があるので馬鹿なことを考える業者が出てくるのです。このような業者は何れ捕まるでしょうし請け負った弁護士も資格を失うことでしょう。依頼者は期間も費用も全て無為に費やしたことになり偽造公文書行使等罪に問われる可能性もあるということも忘れてはいけません。フィリピンに関わる、若しくは進出を計画する企業などを例に考えても、コンプライアンスを重視するところは絶対に大きな失敗はしないのです。

ところでNSOの話が出ましたが国家統計局(National Statistics Office、通称NSO)はすでに格上げされフィリピン統計庁(Philippine Statistics Authority、通称PSA)に名称が変わっています。しかし馴染まないのか国民は今もNSOと呼んでいます。長官は長期間の在任であったカルメリータ N. エリクタ(Carmelita N. Ericta)氏(カメリタ・エリクタという翻訳は誤り。本人が可哀相。今からでも直しましょう)から、リサ グレイス S. ベルサレス、博士(Lisa Grace S. Bersales, PhD)氏になっています。Phd=博士(Doctor of Philosophy)という肩書きがあるのはフィリピンでは珍しくないことです。統計庁長官とは関係ないだろう、何で?という方も多いと思いますが、これはい云わば社会的地位を表すもので、その国家資格取得者であることを示すために氏名の前後につけているのです。

ただし何でも付けられるわけではありません。つけられている資格は、専門職資格管理委員会(The Professional Regulation Commission、通称PRC)や最高裁判所司法試験委員会(Supreme Court Bar Examination Committee)等で得られる国家資格です。弁護士、医師、エンジニア、会計士、看護士、教師、船員など国家試験にパスした者だけが得られる、フィリピンではエリートの証明と言っていい資格のことです。このような資格を持つ者はOFW(海外フィリピン人労働者)としての雇用も優遇されるのです。従ってフィリピン国籍者のみがこれに該当するので、フィリピンにいる日本人でこのようなフィリピン国家資格の肩書きを使っている者がいたら、それは何か良くない目的がある人間と考えて間違いありません。

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2014年3月9日日曜日

フィリピン離婚承認裁判/駐日フィリピン大使館・領事館の杜撰な司法共助要請の実態

国際司法共助とは
例えばフィリピン国内の裁判手続に於いて、日本に在住する人物・団体に提訴状や召喚状などの文書送達を行う場合、両国間の国際司法共助が必要となります。すでに過去の記事でも送達手順を簡単に述べていますが、日比間の国際民事事件では管轄のフィリピン地方裁判所(RTC)裁判官によりフィリピン外務省(DFA)に日本に対する司法共助要請を行います。それを受けてDFAは宛先人住所により管轄圏別に振り分け、駐日フィリピン大使館若しくは領事館に送達を行います。(これはDFAの間違いであることは後述に)送達は国際スピード郵便(EMS)で行われ併せてFAXでも通知をしています。FAXの通知内容はEMSを受領後FAXでDFAに連絡をすること、そして日本外務省(MOFA)に必要書類と円指定の手数料を添え郵便局から司法関係送致文書として送達すること、の2点が重要なこととして記載されています。

長期間を要する司法共助手続
一方日本側での司法共助要請に対するルールは、駐日フィリピン大使館(署名権限者は同国大使)⇒MOFA領事局政策局(署名権限者は日本国外務大臣)⇒最高裁判所(署名権限者は最高裁判所所長)⇒管轄地方裁判所という流れになり、地方裁判所所長名にて宛先人に付郵便送達されます。そしてその受領証明については逆のルートとなります。

このルートで考えられるのはRTCから送られた文書が宛先人に届くまで早くても2~3ヶ月かかり、その受領証明が同RTCに送達されるまで、また同様の期間がかかるということです。つまり離婚承認裁判公判開始に必要な受領証明取得には、半年から長ければ1年かかることになります。

当社独自の実態調査結果
しかし当社で日本外務省領事局政策局に問い合わせ調査したところ、『2008年3月以降離婚承認裁判に関する司法共助要請は数多くあったが、その何れもが必要書類等が不足しているので駐日大使館に返送している。返送後に不足分を添えて司法共助再要請があったことは一度もない。つまりフィリピンに限って言えば司法共助要請が成立したことは一度もない』と断言されました。

さらに必要書類等不足についてDFAに説明したいのでその文書を求めました。MOFAでは当社の要求は直接受け入れることは出来ないということなので、当社専属弁護士からリクエストレターをメールで送り、「司法共助要請に関する必要書類についての説明」を添付ファイルで返信してもらいました。

そして『MOFAとしては本文書の扱いについては当社に一任し、今後フィリピン外務省から直接問い合せなどがあればそれは対応出来る。MOFA領事局政策局にも職務権限範囲があるので理解してもらいたい』という返答を即座にしてもらい日本行政の素晴らしさを再確認しました。

リクエストレターへの回答内容を箇条書きすると、
1.先ず駐日大使の署名の司法共助要請文書がない。
2.日本国での送達手数料が同封されていない。
3.駐日フィリピン領事館には司法共助要請権限がない。従って領事館からの要請は全て却下、返送している。
4.返送の場合も送達費用は在日大使館負担であるにも関わらず過去に於いて一度たりともその支払がなされていない。
という驚愕の内容で、非常に残念でしたがフィリピン行政官・事務官レベルが日本の小学生以下であり、その馬鹿さ加減に於いて世界有数の国民であることがはっきりしました。

また前の記事で言及したDFA行政官から、【裁判の提訴状・出頭命令文書には日本語翻訳文が必要であり、在比日本大使館が認める翻訳会社による翻訳及び認証印を受けること】についても併せて確認しました。

正規手続もまともに出来ない駐日フィリピン大使館
MOFAの答えは、『文書の日本語翻訳文は不要。翻訳の責任は受取人に帰するので、受取人が英文を理解できないのならば翻訳するのは受取人の義務である。フィリピン国内の事情に関しては言及は控えさせてもらう』ということでしたのでその回答を受けて在比日本大使館に確認しましたが、『そういう事実は一切ない。フィリピン外務省に確認しクレームを入れる』という回答を受け、DFAの上級行政官に当社としてもその旨を伝えています。

またその際にDFAが大使館圏と領事館圏に振り分けて送達していることは誤りであり、駐日領事館にはこれに関わる権限がないということも文書で提出しました。そしてその後は日系業者とDFA行政官の癒着の確たる証拠であった翻訳手続を要求されることはなくなりました。

この一連の事実が判明したのも元々は駐日フィリピン大使館の杜撰さからです。

当社で行っていた離婚承認裁判手続が公判前の段階で進まなくなりました。それまでは一度もそのようなことはなかったのですが、日本人前夫への提訴状・出頭命令の送達証明取得が約5ヶ月に渡り滞りました。それまでは約1ヶ月程度で出来ていたので送達ルートの洗い出しを行いました。

先ずDFAの上級行政官に相談したところ、『駐日大使館に毎週月曜日に状況報告の督促状を送っているが返信が一切ない。毎週火曜日に返答確認で問い合わせてほしい』とのことでした。

全てその場逃れの駐日フィリピン大使館対応
そして駐日フィリピン大使館に電話で問い合わせましたが、皆さんご存知の通り何回かけても電話を取ろうとしない。やっと繋がって用件を述べると『調べるので2時間後に電話してほしい』2時間後に電話をしたら『今まだ調査中なので明日電話してほしい』翌日電話をかけると担当者に代わると言ってたらい回し。20分くらいしてやっと『・・月・・日に日本外務省に送付した記録がある』との返答を得ました。

何故調べるのに時間がかかるのかお分かりになりますか。

駐日大使館に届く郵便物管理と記録管理の問題です。彼らは郵便物はダンボールに投げ込むだけ、FAXは垂れ流し、記録帳簿は字が汚くて判読できず、PCでの管理能力なし、だからです。

そこで上述の通りMOFA領事局政策局への問い合わせとなったのです。MOFAでは1分ほど事情を説明している間に、宛先人検索だけで瞬時にデータが出ていました。MOFAではさらに『この後すぐに駐日大使館に確認の電話を入れ明日中には御社に連絡をする』とまで言ってくれました。

しかし翌週になっても連絡がないのでMOFAに電話をすると『MOFAから却下、返送した文書はその当日の内に駐日大使館で受領した、という確認をさせた。そして御社にはその内容を伝えることになっていると話すと、大使館が連絡をするからMOFAから連絡はしなくていいと言うので御社の電話番号を教えた。従ってMOFAとしてはすでに大使館から御社に連絡がいっているものと思っていた』

これを聞いてMOFAに対してさえも言い訳、ウソで逃れようとする駐日大使館。これこそがフィリピン共和国の真の正体なのです。まともな国民たちは本当にお気の毒です。

この事件では当社はこれ以上駐日大使館には期待できないという判断をし、結局日本人前夫から委任状を受け提訴状及び出頭命令の直接受領の宣誓供述書を作成、公証役場での公証とMOFA認証を取得し駐日大使館でそれらの文書を認証、そしてDFA認証を付与した上でRTCに提出し公判を迎えることが出来ました。

やはり日本外務省が最後の頼みの綱に
最後に公判が終わった後にお礼と報告の連絡をMOFA領事局政策局にしました。MOFAからは以下の内容を伝えられました。『御社の尽力と機転には感心するし、その方法如何についてフィリピン裁判所で合法として受理されたのであれば、当局としては関知するものではない。本件は法律上「司法共助要請」と呼ぶものであり、当該国間の外交上に関わることなので相手国に内政干渉することは絶対にできないということを前提に考えてほしい。従って事件について要請があれば外交ルールに則り可能かどうか判断・検討し協力できるところはするが、フィリピンの対応が悪いとか、こうした方がいいとかの助言はできないし、相手国を中傷するようなことは絶対にできないので理解してほしい』

ところでバギオ在住?の方のブログで、バギオに領事出張サービスがあった時に、領事から離婚承認裁判文書の送達ルートについて聞いたということでフィリピン国内から日本までのルート記載記事を見ました。これはおかしいですね。記事にすること事態非常に軽率ではないですか。領事は上述の通り職務権限範囲があるので言及できないのですよ。日本国内での司法共助ルートについては問題ないですが、フィリピン国内のルートにまで口を滑らしたのであれば、その領事は厳重注意や懲戒の処分を受けることになるので、それは絶対にないと思いますがね。

注)当コラムの著作権は全てフィリピン法人Barros-Kei Corporationに帰属します。これらのファイルを許可無く複製、転載、流用することを禁止します。

2014年2月26日水曜日

フィリピン離婚承認裁判/情報に振り回される人たち

安易に信じてはいけないネット情報フィリピンにおける離婚承認裁判についてネット検索すると、違法行為や誤報で溢れかえっていて、どれが真実か判断出来ない人も多いと思います。またさらに始末の悪いことには、ブログだけでなくYahoo!知恵袋などのQ&A系サイトでも、かなりいい加減な情報が掲載されていることがあります。

昔の情報のままアップデートできていない人が多いのですが、中には『うちでは裁判をやらずに済ませることができる』と、堂々と不正を行っていると宣言しているブログや、『殆どの人が知らない方法がある。そのやり方なら再婚できる』など、フィリピン国内での合法手続を無視しているようなものもあります。

以前の記事でも触れてきましたが、日本の常識、モノサシで考えることではないのです。合法的というものがどういう意味なのか考えてみてはいかがでしょう?
偽造文書や不正手続が横行
現在、国家統計局(NSO)では離婚承認裁判に於いての不正手続で、中央ルソン地方やカラバルソン地方にある地方裁判所(RTC)数箇所で、頻繁に偽造判決文使用で不正登録が行われている事実を掴んでおり、それらの地方裁判所と地方民事登録局(LCR)を要注意のウォッチリストに入れ注視しています。

提訴状や判決文、審決証明には特別訴訟番号が必ずあるので、その番号から偽造であることが簡単に判明するのです。

当社で調査した案件では特別訴訟番号が離婚承認裁判のものではなく、他の事件番号を使っていて、裁判官も離婚承認裁判担当ではない人物名と署名がされていました。この不正を暴いたことによってその地方裁判所の行政官1名、そして地方民事登録局行政官と職員3名が懲戒免職となっています。

またそれに関わった業者は、日本大使館周辺にタムロするフィリピン人ですがすでに逃亡しており、日本人スタッフもいたというオフィスはすでに閉業しています。

しかし離婚承認裁判を必要とするフィリピン人は増え続けているため、同じ被害を受ける人の数も減ることはないのではと危惧しています。
そもそも離婚承認裁判はいつ始まったのか
フィリピン国内でこの裁判手続が初めて取り沙汰されたのは、私の記憶では2008年3月のことになります。

この問い合わせは日本国内で離婚したフィリピン人が、大阪のフィリピン領事館にて別な日本人と結婚するために婚姻要件具備証明書を申請しようとしたところ、本国での裁判判決文と審決証明を求められたことからでした。

当時フィリピン国内では離婚承認裁判自体判例がなく、殆どの人は婚姻無効裁判(アナルメント)でそれを解消していましたので、当社でも合法的に行うことを前提でアナルメントをお勧めしましたが、その時は問い合わせだけで話は終わっています。
その後1年間で問い合わせが増加それから2009年2月までの1年間で同じような問い合わせが7件続きました。また2008年3月頃に始まり2012年10月末までの間に、駐日フィリピン大使館・領事館では数回に渡りこの件に関し迷走しています。

フィリピン人離婚者で本国での裁判手続を行っていない人に対する婚姻要件具備証明書の発行をオープン/クローズしています。酷いのは大使館でOKなのに、領事館ではダメ、またその逆であったり、1回目の離婚に限ってOKとか、担当職員によって受理不受理があったり、申請必要書類も担当職員によって言うことが違う等々、いかにもフィリピンらしい本当に見事なまでの迷走ぶりでした。

それが2012年11月になってやっと大使館・領事館ともコンセンサスがとれたようで、現在までは本国での離婚承認裁判を経た上で再婚可能となる方式になっています。

従ってこの2012年11月以降のことしか知らない人が、この時期から離婚承認裁判を行うようになったと勘違いしていて、現在まで判例がないというようなブログを見かけましたが情報不足ですね。当社では2009年9月に離婚承認裁判をスタートしています。
対訳を離婚承認裁判と名付け当社業務に加える
2008年10月から当社で3ヶ月間かけて民事登録局を中心に行政機関を回って調査したところ、地方裁判所での民事裁判「Judicial Recognition and Enforcement of Foreign Divorce」という特別訴訟がそれに該当することが判明しました。事件名が長いので「Recognition of Foreign Divorce」と略して、弁護士や判事、検察官は呼んでいました。当社では「RFD」と呼んでいます。そこで私は業務とするため「離婚承認裁判」と対訳を付けサイトに掲載しました。

その当時は「離婚裁判」とか「離婚認知裁判」と訳しているサイトがありました。また日本大使館でさえも「離婚認知裁判」としていました。これはRecognition=認知からきていると想像できますが、日本人がその単語から想像するものとしては、しっくりこないので私はあえて「承認」を使いました。現在殆どの人が使っている「離婚承認裁判」の対訳を使ったのは私が最初なのです。

ちなみにRecognitionは認知という訳語もありますが、フィリピンではそれは子供の認知に使いません。ご存知の方も多いと思いますが認知にはAcknowledgmentを使いますよね。

また正式裁判用語「Judicial Recognition and Enforcement of Foreign Divorce」も「海外離婚の司法承認及び執行」と対訳を付けました。

それから離婚承認裁判を【Recognition】リコグニションとフィリピンでは呼んでいる、という間違った情報を伝えているサイトもいくつかありますが、それは大使館周辺で非合法手続によって裁判をやらずに婚姻証明書の左側に
『証明書番号・・・・に従い・・年・・月・・日付日本国・・・・長発行の戸籍謄本に基づく離婚証明書により・・年・・月・・日、離婚が成立した』
というマニラ市民事登録局文書管理課主任の認証を付与している業者が呼んでいるものです。

本来これは裁判が終了し審決証明交付がないと出来ない手続なのですが、金を積んでこの違法手続を行っている業者がまだ沢山いるのです。これでは翻訳文面を読んで分かるとおり裁判を行っていないのは明白ですね。

裁判が終了し最終的にNSOに登録されると左側の認証だけでなく右側にも
『原告・・・・及び被告・・・・の婚姻に関する海外離婚承認裁判の申立は、特別訴訟番号・・・・に基づき・・・州・・・第・・司法区・・支所地方裁判所裁判官・・・・により宣告された・・年・・月・・日付命令に従いここに承認されるものとする』
という認証文面が入ります。

こういったさして難しくもない翻訳すら出来ない業者が、何でも知っているような顔をして営業していること自体も問題です。そしてこういう業者が不正を繰り返しているのです。

この
左右の認証が注釈として付与されることを以って離婚承認裁判の全手続が完了するのです。最初の離婚承認裁判当社での最初の離婚承認裁判依頼客は2009年9月でした。原告はマニラ市役所で婚姻登録をしていたので、マニラ市の首都圏裁判所法廷(Metropolitan Trial Court)で行いました。裁判所はマニラ市役所とマニラ選挙委員会の間に位置し、LRTのCentral Terminal駅の向かいにある、行政監察局(Office of the Ombudsman)ビルと同じ入口から入ります。

話が逸れますが、この行政監察局のオンブズマン(Ombudsman)というのは、日本にある市民オンブズマンとは違います。検察のようなもので特に大きな不正事件の取調べを行うところです。当社の原告公判期間中にフィリピン史上最悪の汚職犯罪人アロヨに関わった大物たちがここに出頭するのを何度も見かけました。
離婚承認裁判は裁判官の無知により暗礁に
原告の公判では裁判官が日本の離婚制度に不快感をあらわにし、署名捺印だけで離婚できる法律を証明する文書を在比日本大使館認証を取って提出するように求めました。私は証人喚問で法廷に立ちましたが、証言内容を裏付ける文書を日本大使館認証を付与して提出しろと言われました。私はその証人喚問の時に日本国法務省サイトに民法の英訳が掲載されているので、そのコピーと日本の某市役所サイトにある離婚手続英語ページのコピーも証拠物件として提出しURLも明記の上ネットでの閲覧を求めたのですが、日本大使館認証がなければ受け付けないと却下されました。

その裁判官が求めたことを日本大使館に伝え認証の可否を尋ねましたが、当然ながら「自分の国の法律を認証しなければならない大使館は、世界中どこを探してもないはず。裁判官が大使館に問い合わせるなら対応する」との答えをもらいました。
裁判官は選べないのでダメなら裁判所を変えるしかない
その答えを持って次の公判に臨みましたが裁判官の主張は変わらず、このままではいつまでたっても終わらないので弁護士に提訴取り下げをさせ、違う地方裁判所に提訴することにしました。(これは裁判所漁りに該当するので合法的手続を行わないと犯罪になります)

裁判官が特に女性の場合は要注意で自分の主義主張を絶対に曲げようとしません。しかしこれは主にローマンカトリックの敬虔な信者で、教会と何らかの深い関係を持つ裁判官にはよくあることなのです。教会は何と言っても離婚や婚姻無効には反対の立場ですし、こういった裁判を行うのは再婚目的であることを彼らも分かっているのです。つまり女性裁判官の視点としては原告の節操のなさを許せないのですね。

話を戻しますがこの時点で7ヶ月が経過しており、当社の離婚承認裁判顧客も他に4名いました。顧客も当社で指定したEx Parte制度のある地方裁判所で公判をしてくれたので、1日の出廷で終了し早い人では全手続が8ヶ月で終わった人も出てきました。(現在は手続が厳格化の傾向にあるため1年から1年半はかかっています)

そこで再提訴顧客も同じ裁判所で行うことにしました。裁判官も前顧客と同じでしたので彼(男性裁判官)も要領を得てきたのか、判決までも早く全手続は最初の提訴期間を入れても1年半で終了しました。

こうやって2010年の末には全ての手続を理解しました。もちろん離婚承認だけでなく他の裁判手続も含めての話です。そうでなければフィリピン国際法務の専門家とは言えませんよね。また現在は手続が次第に厳格化し長くかかるようになったため、期間を合法的に早める方法を駆使したり工夫を怠らないようにしています。
ネット内情報の信憑性
ネット内の情報を拝見する限りでは、フィリピン国内の離婚承認裁判手続を熟知している人は殆どいないようです。中に数名正しい情報、合法的情報を伝えている方がおりますが、残念ながら聞き手側が真偽の判断ができていないという問題があります。さらにQ&Aサイトなどでは自分の情報が間違いであることを受け入れず、正しい情報提供者を誹謗中傷しているのも見かけました。

当たり前ですが掲載されている情報のほぼ100%が、フィリピン人弁護士やその関係者のソースであってその人自身のものではありません。情報提供はマーケティングリサーチにも共通することですが、何と言っても情報のソースがどこからなのかが重要なのです。

また、日本大使館に聞いても分かる人はいませんが、彼らは分からないとは言えませんので「内政干渉になるので教えられない」という返答しか出てきません。フィリピン行政関係者でも自分の仕事に関する情報しか持っていません。総合的把握をするためにはその情報を一つ一つ繋ぎ合わせなければならないのです。

フィリピンに於ける裁判手続の7、8割方理解できていて正しい説明ができる日本人は、フィリピン国内には2、3人しかいないと思います。何故ならばフィリピンに於ける裁判はビジネス英語が問題なく出来て、法律用語を熟知し、公判傍聴し、全ての行政手続に足繁く通った人だけが理解できるからです。


2014年2月2日日曜日

フィリピン人との離婚に至る現状について(後編)

日本以外の国では非常に困難な婚姻解消
日本でも裁判で離婚/婚姻解消、つまり調停離婚や審判離婚をする人はいるでしょうが、キリスト教国では条件が厳しく日本の裁判ほど簡単ではありません。フィリピンの裁判では、判決で認められながらも裁判官が教義に反するとして署名を拒否されその後の手続きが進まなくなるケースもあるのです。特に当事者がフィリピン人同士の場合、数年以上別居した夫婦だけしか認められないこともありますし、子供がある場合は当然ながら事が更に難しくなります。

複数回フィリピン人と婚姻離婚を繰り返した日本人がフィリピン人との婚姻手続きを行っている途中で、フィリピン行政機関が日本人に婚姻無効裁判を求めたり、人身売買の疑惑をかけられ婚姻歴や出入国歴を調査されたり、日本大使館に身分照会されたりして婚姻手続きや招聘手続きが進まなくなるケースも最近では出てきているのです。従ってフィリピンのように離婚/婚姻解消を厳しく制限している国の人との結婚も、簡単には考えず慎重且つ覚悟をもった上で行うべきなのです。

成田離婚のような婚姻・離婚の軽さは最早犯罪的と云える
ヨーロッパのキリスト教国では簡単に結婚をしませんし、子供の出生後に結婚する人も増える傾向にあります。それに比べると日本は結婚も離婚も非常に簡単に出来てしまう、他国、特に先進国からは理解しがたい珍しい国家なのです。つまり異常なのは日本の離婚制度であって、何でも日本を基準に考える事自体がおかしいのです。制限がないので同じ人と何回結婚しても離婚しても許されますし、結果的にこういった安易さを原因として国際結婚の破綻率を高めているのです。日本の行政機関も国際結婚カップルの離婚率に言及する前に、ガラパゴス的な現状の離婚制度に対して厳しくする方向で検討してみてはいかがでしょうか。

イギリス、イタリア、フランス、オランダなどをはじめとしたヨーロッパの殆どが協議離婚制度を持っていません。裁判所を介するしか離婚/婚姻解消する方法がないのです。そして裁判手続には大きな費用と長い期間がかかるので、簡単に離婚/再婚しようとする人はいません。だから結婚に対しても当然慎重になるのです。

フィリピン人との結婚も同じなのに、余りに軽率な婚姻が多いのに驚きます。また夫が日本人の場合、子供も捨てるケースが殆どです。親権、慰謝料、チャイルドサポート、財産分与といった問題だけでなく、将来的に相続で更に複雑な問題が発生する可能性もあるのです。こう考えるとフィリピン人とも簡単に離婚できない事がお分かりになるでしょう。

婚姻生活に必須な許容と理解の深さ
最後に動画をご紹介します。ご存知の方も多いかと思いますが、フィリピン女性と結婚し日本で裕福でないながらも生活する日本人夫が自主制作したものです。普通はこんなに言葉や態度が悪くややっこしい女とは結婚しませんし、結婚したとしても即離婚していますが、この日本人夫は妻に振り回されながらも、非常に寛容な方でトラブルも人生の一部として楽しめる心の余裕がある素晴らしい人物だと思います。

日本人夫に定職がないこともあるでしょうが、フィリピン人の妻は自分の国のスタイルで生活している事、夫が妻のスタイルを許容している事が新鮮な驚きでした。彼の動画を見てフィリピン人と円満な婚姻生活を送る秘訣が分かったように思いました。

http://www.youtube.com/watch?v=1KLkN9keNWU

2014年2月1日土曜日

フィリピン人との離婚に至る現状について(中編)

良質なサポートを受けた婚姻は破綻し難い
同様の出会いで結婚に至り当社のサポートで手続きを行ったカップルで、不幸にも相手が病気で亡くなったケースを除けば離婚したのは1組だけで、離婚率は0.01%にも達しない数値です。他社でも同様に少ない離婚率であるはずです。

というのは手続き代行を請け負った者が日本人とフィリピン人に対し、十分な説明を行いながら進めていくので特に日本人はその説明を聞きながら、手続きの概要やフィリピン人との婚姻生活の理解度も深まっていくからです。優秀な会社に依頼すれば対価に見合ったサービスが期待出来るのです。

時間と理解力がある人ならば若しくはフィリピン人がしっかりとした人物ならば、決して難しい手続きではないので当事者たちだけで終わらせることは出来ます。フィリピン在住の人なら余程忙しい人でない限り時間をかけてやればいいことです。

自身での解消が困難なフィリピン人の問題
しかしフィリピン人側に何か問題がある場合、それを合法的且つ適切に解決できるかと言えば巷に溢れる多くの失敗例からそうではありません。フィリピン人にそこまで期待するのは無理ですし泥沼化するだけです。

特に日本への入国回数が多いフィリピン人ほど、不正入国歴や犯罪歴に注意しなければなりません。入国歴がなくても婚姻歴があるかどうか、相手の主張を鵜呑みにせず独自で調査することも当然必要になってきます。日本人同士であっても興信所に調査依頼をするケースがあります。何故フィリピン人に対してそういった調査を行わないのか、第三者から見れば不可解な日本人が沢山います。またどんなに第一印象が素晴らしい出会いであっても、結婚するのはやめた方が良い事例が沢山あります。それは周知の通りネットなど様々な情報で簡単に見ることが出来ますので、危ないと感じたらやめればいいのです。

日本人の結婚観・宗教観・婚姻モラルにも問題が
日本人は離婚歴4回以上という人も決して少なくないのが現状です。一般の人から見ればそんなに離婚歴が多いのは不謹慎、犯罪と思うのですが、日本の民法に結婚と離婚の回数制限がないこと、そして日本は宗教国家、特にキリスト教国ではないので、倫理的に縛られることがないことも簡単に結婚離婚を繰り返す一因となっています。

キリスト教国では法により簡単には離婚出来ません。キリスト教では、宗教と婚姻生活は強い関連性を持ち切り離すことが出来ないので、宗教上の理由から婚姻生活を非常に重んじています。特にカトリックでフィリピンのミサに出た事がある人なら、それを痛切に感じるはずです。

日本人の中にはフィリピン人は悪い事ばかりするから、毎週ミサに出て神様にごめんなさいをするのだろうという馬鹿な事を考える人もいますが、全くのお門違いでそういう無知無教養な人は二度とフィリピンに関わらないか、一度信仰というものをしっかりと勉強し直した方がいいと思います。

フィリピン人にとって宗教は人生の重要な部分を占めるものなのです。それが具体的に彼らの生活や人生にどのように関わっているのか、理解しようと努力しない人にフィリピン人を語る資格はありません。

また巷で見かける【フィリピンでは離婚が認められていない】という論説は正しくありません。これを言う人は宗教との関わりを理解できていない人です。正確に言えば【協議離婚が認められていない】のです。日本のように当事者の話し合いだけで出来る協議離婚はありません。フィリピン人は日本で成立した離婚を本国地方裁判所で離婚承認裁判を行うか、婚姻無効裁判を行い本国での婚姻を解消しなければ再婚が出来ないのです。

後編に続く

2014年1月30日木曜日

フィリピン人との離婚に至る現状について(前編)

日比カップルの離婚率が高い?
もうかなり前になりますが、夫が日本人で妻がフィリピン人のカップルの離婚率は約40%、夫がフィリピン人で妻が日本人のカップルは約70%というニュースを目にしました。この数値について私は違和感を持っており、出所が政府機関であっても情報操作的な臭いを感じています。また偽装結婚なども一緒くたにした数値でしょうから、これを以ってフィリピン人との結婚が失敗に終わる可能性が高いと断じることは出来ないでしょう。

失敗したケースではその原因は出会いの方法に帰することも多いと考えます。日本人男性とフィリピン女性の出会いの場所は、1980年代に始まり80年代後半から1990年代を最盛期とし2004年頃まではそれなりの隆盛が続いたフィリピンパブ、日本人女性はディスコやクラブなどといった日本国内が主でした。この時代、特に最盛期に結婚した方々の離婚率はそれほど高くないはずです。

興行ビザ取得規制から拙速な出会いが増加
一方2005年以降は日本での就労、特に興行ビザのハードルが高くなったこと、そしてフィリピンでもインターネット環境が向上してきたこともあり、彼女たちはネットでの交際や出会いのチャンスがあるネットカフェへと舞台を移し、ライブチャットや援助交際サイトなどでの出会いが増加しました。現在ではスマートフォンの爆発的な普及もあってこの傾向はさらに強まっています。

フィリピン人のこれらの選択肢で援助交際サイトは少ない金額ならば容易に収入を得ることができるため、英語ができるフィリピン女性にとって非常に都合の良い手段でした。ネットの向こうで援助してくれる外国人は無数にいるからです。彼女たちのターゲットは英語圏の欧米が中心でしたが、次第にその存在が知られるようになり日本人も流入してきました。ネットをあまり利用しない日本人は直接フィリピンに渡航し、KTVやゴーゴーバー、援助交際カフェにその場を求めました。ビザ厳格化に伴う偽装結婚の増加やこのような出会いの場の変化が、その後に続く婚姻生活に大きな影響をもたらしました。

昔のフィリピン人は良かった!?
最盛期には高い競争率を勝ち抜き日本に就労に来ているため、フィリピン人は容姿や教養、能力だけでなく仕度費用も求められました。初来日であれば借金した費用を3ヶ月働いてやっと返せるだけになるか、一回6ヶ月間の就労では足りない場合もあったでしょう。しかし借金を出来るのは本人や家族に借りれるだけの素養が必要なので、全くの極貧層では初めから相手にされません。つまり最盛期に日本、とりわけ大都市部で就労していたフィリピン人は、現在よりもレベルが高くその数も非常に多かったのです。その中から日本人と結婚し破綻せずに生活しているフィリピン人は、ある意味勝ち組といえるでしょう。

幸福な国際結婚のカギは日本人が風習・文化を深く理解できるかどうか
一方、現地のKTVやゴーゴーバー、援助交際カフェで結婚する気はなくても王子様が現れる機会を窺がっているフィリピン人は、すでに負け組なのです。とういうのはたとえ日本に就労で行く事が難しくても、シンガポールなど興行で就労できる国は他にもあるからです。フィリピンから距離も近く仕度費用も日本ほどかかりません。現地にいるしか選択肢がない人は表現は悪いですが殆どが残りモノなのです。

しかしこのような場所での出会いであっても素朴、素直な女性もいますし、日本人がフィリピン人のそういう境遇を理解できるのであれば、婚姻生活を開始してから出て来る幾多の障害も乗り越えられるものです。問題は日本人がそれをどの程度まで把握できているのかということです。

中編に続く

2014年1月2日木曜日

フィリピンにおける離婚承認裁判とは

離婚承認裁判とは
離婚承認裁判とは正式には「海外離婚の司法承認及び執行」(Judicial Recognition and Enforcement of Foreign Divorce)と呼ばれる裁判手続のことです。つまり日本で離婚したフィリピン人が本国で婚姻状態にある身分事項を再婚可能なものにするため司法承認を申し立てるのがこの裁判手続なのです。
必要書類は?
この申立に日本から必要な書類は、役所からの婚姻と離婚の事項記載がある前配偶者の戸籍謄本2通、地方法務局からの離婚届記載事項証明書1通、前配偶者の身分証(パスポート・運転免許証・住基カードの何れか)のコピー1通、在フィリピン日本大使館書式委任状(申請用と受領用)2通、戸籍謄本1通と前配偶者の身分証、そして委任状は在比日本大使館から離婚証明書を発行してもらうためのものです。戸籍謄本の残り1通と離婚届記載事項証明書は英訳し同大使館にて翻訳者署名証明を付与して裁判所に提出します。大使館から交付された離婚証明書はフィリピン外務省で認証してもらいさらにそれをマニラ民事登録局総局で認証を受けます。

またサポート書類として当社では日本の民法の英訳本(日本法務省の認可を受けて発行されたもの)とその離婚記載部分抜粋のコピー、法務省ウェブサイトにある民法英訳の該当箇所のコピーなどを提出していますが、依頼主によっては駐日フィリピン大使館・領事館からの離婚届受理証明書だったり、役所からの離婚届受理証明書(要英訳)なども提供されますので、これらは不要なのですが場合によってダメ押しの意味で裁判所に提出しています。
公判までの長い期間
提訴状の作成が終わり揃った書類と共に裁判所に提出しますが、これから公判まではだいたい3ヶ月はかかります。国際ルールで言えばこの裁判手続は両国の外務省による司法共助が必要で、日本で離婚したフィリピン人が本国で離婚承認裁判を起こしたとなると、本来は司法共助の手続を踏んだ上で公判が認められることになります。
駐日フィリピン大使館・領事館のいい加減さが問題
どういうことかと言うと、提訴し公判日が確定すると両当事者に告知がされます。日本にいる前配偶者に対しての告知内容は提訴状と出頭命令です。これらの文書が申立をしたフィリピンの地方裁判所からフィリピン外務省へ送達、それを外務省は駐日フィリピン大使館に送達、大使館は司法幇助手続文書と手数料を加え日本の外務省に送達、日本外務省が条件を満たしていると判断できる文書についてのみ最高裁判所に送達、最高裁から該当する地方裁判所に送達、最後に前配偶者のもとに特別送達郵便で送られます。そして前配偶者の受領、宛先人不明などの証明が今度は逆ルートでフィリピンの地方裁判所に送達されます。日本の外務省に問い合わせれば分かりますが、この司法共助手続は片道で早くても3ヶ月はかかります。つまりフィリピンの地方裁判所に戻ってくるまでは半年以上かかるのです。

しかし不思議なことに、日本の外務省ではフィリピン大使館からの離婚承認裁判の司法共助は、文書の不足や手続費用未払によって2008年以来一度も成立したことがないということです。このあたりフィリピン大使館のいい加減さがはっきりと分かりますよね。外務省の海外政府機関でさえこの有様なんです。

このことでフィリピン外務省に直接苦情を申し立てたことがあります。このとき対応してくれた上級行政官が非常に真摯な方で2日おきに在日大使館にFAXを流して進捗を報告するように連絡を入れてくれましたが、駐日大使館からは何の返事もありません。電話をかけても居留守。そこでたまたま帰国していた副領事を呼びつけこの対応の不味さについて怒鳴りつけました。(その後対応が変わったのかと言えば全く変わりませんでしたが)これではいつまでたっても始まりませんので当社では合法的な他の方法で対処しています。
勝手に在比日本大使館指定業者リストを作る悪徳日本人業者
またその前には外務省に送達の件で訪問すると、対応に出た行政官から文書が英文なので日本語翻訳をつけるように言われました。翻訳などは当社で問題なく出来るのでそれをつけますかと言うと、日本大使館から指定されている業者があるのでそれ以外の翻訳は送達しないと言われました。そしてリストを渡されましたがその中にある業者はどれも翻訳者は一人もいなくて他社に委託しているところばかりでした。中には当社に委託してきている業者も含まれています。このような癒着体制は許しておけないので日本大使館に行き領事にリストを渡し大使館が指定しているというのが事実なら日本の週刊誌にネタとして提供すると憤慨しました。その後そのクダらないリストはフィリピン外務省から消滅しましたが、金の臭いをかぎ分けるハイエナ業者恐るべしだと思いました。

偽装裁判や偽造文書の多さに国家統計局も注視
また離婚承認裁判は偽造や不正手続も横行していますので注意が必要です。前述のとおり公判までだいたい3ヶ月、公判は普通にやると3回、EX-Parteという手続が認められれば1回で終わります。EX-Parteは裁判所が全ての文書、証拠物件が出揃っていてこれ以上審議を尽くす必要がないとの申立を認めた場合に行われるもので、これができれば公判当日や翌公判日で終わらせることができます。そして判決文が交付されるまで早くて2ヶ月、次に審決証明と登録命令が交付されるまで早くて1ヶ月、NSO婚姻証明書に離婚承認の注釈が入るまで早くて1ヶ月、という流れで全ての手続が最短で進んでも8ヶ月くらいかかるんです。しかしそうは都合よく進まないので1年半近くかかるものと考えるのがいいと思います。

当事者や日本人の情報誤認や知識不足も悲劇の原因に
日本人の悪い癖でフィリピンだから簡単で金さえ出せば早くできると考える方が多いですが、やっていることは裁判なのです。行政事務が最先端を行く日本でも裁判がそんなに早く終わりますか?まして裁判は個人個人異なりますし裁く側もフィリピン人という手ごわい人間たちなんです。日本ではよく、私は2ヶ月で離婚承認できたとさも自慢げに友人に話す人がたくさんいますが、これは自分は不正をやりましたと言っているのと同じなんです。偽造・不正で入国できたとしてもいつか破綻の日がやって来ます。おそらくは不正をやる業者に任せたからでしょうが、たとえ知らなかったにしても自己責任ですので日本の行政はいつまでも見逃してくれるほど甘くはありません。これから裁判を行う方は決して急がないで腰を据えて待つ心構えをして下さい。それが待てない方は裁判が必要な相手など選ばないことです。