Barros-Keiコラムとは?

フィリピンにおける裁判手続きや結婚手続きなどで多くの誤認情報をネットで見かけます。またフィリピン人からの古い口コミ情報を信じている人も沢山います。以前日本のかなり手広くやっている行政書士グループ会社ウェブサイトに、当社の文章を丸々パクられたことがあります。責任者にすぐにクレームを出し全て削除させました。たとえ肩書きが弁護士や行政書士であっても、日本にもフィリピンにも専門知識のない業者は数多くいます。しかし知識や情報を持っていない依頼者の方たちは、その肩書きを信じて頼るしかありません。そういう現状から本コラムが、これからフィリピンで何かアクションを起こそうとする方たちのために、少しでも役立つものになればいいと思います。また立派な肩書きを持つ人たちは、それに恥じないようもう少ししっかりと勉強してから情報を発信すべきです。そもそも知識や経験というものは、フィリピンに長く在住しているから自動的に得られるというものでは絶対にありません。同じようなレベルの人間としか交流がないのであれば、たとえ50年在住していようとも、濃い日々を過ごした人の1ヶ月にも及ばないことがあるのです。当コラムの目的はそれらを正し正確且つ最新の情報を伝えることにあります。
注)当コラムの著作権は全てBarros-Kei Corporationに帰属します。これらのファイルを許可無く複製、転載、流用することを禁止します。

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2015年6月17日水曜日

フィリピンの養殖ビジネス/台風グレンダで頓挫した養殖業の現状視察(その二)

前回記事の続きです。

視察しヒアリングも行った過程で、私が感じたことはそもそも何でこの視察滞在が必要だったのかということでした。台風被害と言っても20~30cm程度の床上浸水だったそうで、それならば壊滅状態というのは誇大表現過ぎるなと感じていました。

義母が投入した資金は土地購入も含めて総額70万ペソ。彼女は当社のグループ企業でアパート経営事業、賃貸コンドミニアム事業などを次々と成功させているにも拘らず、身内に任せきって管理していなかったツケでしょうか、この程度のもので終わってしまっていることを情けなく思いました。

とにかく先ずは要件を考えると

1.マングローブの汽水域
2.自然環境保護政策地域
3.市街地への移動はボート
4.ネット環境、携帯電波状況は良好
5.水道問題なし
6.計画停電頻度はマニラと変わりなし
7.住民のホスピタリティは都心部よりもはるかに良い
8.外国人慣れしているので珍しがられない


ということを前提に私がプレゼンしたのは、日本人を対象とした、引き籠りや素行不良による不登校児童、勤労意欲喪失者などのために、学習意欲の向上・社会復帰の支援施設建設です。建設と言っても病院を建設するわけではなく、10名程度収容できる小規模な施設で十分なのです。

当社は婚姻無効裁判提訴の要件である原告と証人の精神鑑定受診のために、当社の近隣、マンダルヨン市にある国立精神病院の副院長で、精神鑑定医師/心理学医師が経営するクリニックと提携しています。この医師は精神鑑定医師としてこの国の権威であり、この医師の診断や証言を以ってすれば、裁判官は何も異議を唱えることができないほど有名な人物なのです。裁判顧客を受診でこの医師のクリニックに連れて行くと、問診を受けた後に「テレビで観たことがある有名な人ですね」と驚かれます。この医師にも更生プログラムで顧問協力を願う形を考えました。

緊急性のある病気や怪我などは15~20分でカリボの総合病院に行くことができますし、警察に行くのも同じ所要時間です。セキュリティガードは24時間体制で常時2名、交代制で計4名。日本語対応スタッフ、教師、看護介護スタッフ、ハウスキーパー、メイド、などで計8名程度で10名の入所者をケア。バンカーボート1艘を新規購入、更にできれば屋形船タイプの小型フェリーを購入。オプションとして定番ですが英語学習などのサービス提供も。

施設は建築規制により平屋建てのみとなっており、建設費用が安くなるのでかえって好都合なのですが、床面積で約500平米、部屋は全室トイレ・シャワールーム付で収容者用が10部屋、スタッフ用5部屋、キッチン、食堂、焼却炉+炉熱利用の浴場など。

小型フェリーやオプションは除いて建設と雇用の資金は開業までで180万ペソ、予備として3年間の運転資金合計50万ペソの見積をしました。自然環境保護政策地域なのでリゾートなど観光事業はできません。逆にその条件を十二分に活用することを考えたプロジェクトとして社内で理解してもらいました。

このプロジェクトを進めるのかどうかについては、今後の全グループの取締役会での討議を待つしかありませんが、今回は私自身の企画力も試されたような気がしていますので、このまま放置プレイでもいいのかなと思っています。義母はグループ副会長なので仕方なかったのですが、何か嵌められて彼女の暇つぶしに付き合わされたような感じで、私としては忙しいのに、このような立案を押し付けられた不躾さに腹が立ちました。

怒っても意味ないですが・・・

次回はボラカイ島のビジネス・マーケティングについて語ります。

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