Barros-Keiコラムとは?

フィリピンにおける裁判手続きや結婚手続きなどで多くの誤認情報をネットで見かけます。またフィリピン人からの古い口コミ情報を信じている人も沢山います。以前日本のかなり手広くやっている行政書士グループ会社ウェブサイトに、当社の文章を丸々パクられたことがあります。責任者にすぐにクレームを出し全て削除させました。たとえ肩書きが弁護士や行政書士であっても、日本にもフィリピンにも専門知識のない業者は数多くいます。しかし知識や情報を持っていない依頼者の方たちは、その肩書きを信じて頼るしかありません。そういう現状から本コラムが、これからフィリピンで何かアクションを起こそうとする方たちのために、少しでも役立つものになればいいと思います。また立派な肩書きを持つ人たちは、それに恥じないようもう少ししっかりと勉強してから情報を発信すべきです。そもそも知識や経験というものは、フィリピンに長く在住しているから自動的に得られるというものでは絶対にありません。同じようなレベルの人間としか交流がないのであれば、たとえ50年在住していようとも、濃い日々を過ごした人の1ヶ月にも及ばないことがあるのです。当コラムの目的はそれらを正し正確且つ最新の情報を伝えることにあります。
注)当コラムの著作権は全てBarros-Kei Corporationに帰属します。これらのファイルを許可無く複製、転載、流用することを禁止します。

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2014年2月13日木曜日

フィリピンでのフードビジネス・コンサルティング(その壱)

ビジネスに求められるオーナーの資質・素養                 
フィリピンでのフードビジネスは開設にあたっての資格要件があまりないので、安易に考える人が多いという傾向があります。この場合皆さんが考える資格とは【それがないと経営権が得られない】ものだと思います。

しかしビジネスで本来考えるべき資格とは、それがあることでプロとしての信頼感が増すものであったり、経験や知識、資質を証明するものであったりします。そういう意味ではビジネスにおける素養が重要要件になると言えます。フィリピンで成功すれば大抵の国で成功できると云えるほど、フィリピンにおけるビジネスは失敗例が多いのが現状です。従って先ずは素養を磨く手段を考えなければなりません。

当社のフードビジネス顧客は全て欧米人かフィリピン人がオーナーですが、ここではフィリピンでのレストランビジネスについて、日本人オーナーを目指している人のために実行するべきことを提言します。
先ずオーナーが自分なりのマーケティングを試みること
第一にやるべきことはセルフ・ネットマーケティングです。自分がやってみたいフィリピンのビジネスをネット検索する、そして挙がってきたサイトに一つ一つアクセスし有益と思われる知識を取得します。地道な作業になりますが根気強さが求められるので、ここでギブアップするようでしたらビジネスは諦めたほうがいい、無駄な投資をせずに済みます。

つまりはこういう作業をすることが素養を高めていくのです。一通り集まったら精査していきます。比較対照し除外したいものは後悔せずに捨てます。ソースがない/なさそうな情報は不要です。独りよがりの知識や裏づけがなさそうな理論は、害にこそなれ有益情報にはならないからです。

それからビジネスに成功した人の理論は斜読するだけで切り捨てます。失敗者のそれは初めから除外です。失敗から学ぶと言いますがそれは弱者の理論だからです。つまり敗者になりたくないから負けないように経営するという考え方になってしまいます。

また成功者の情報を精査したければ読み取る力が必要ですが、「味の素Philippines」を深く調べるだけで十分です。どうしてももう一つ見たければ異論もあるとは思いますが「ペッパーランチ」です。

しかしこれから起業を考えている人にとって一番有益になるのは、実は【起業して悪戦苦闘しながらも努力を続けている人】が発信している情報なのです。


レストランビジネス必勝の基本戦略
ある程度イメージが出来てきたら次に以下の9つの基本戦略について考えます。

1.事業内容とイメージ
  コンセプトやビジネスモデルの設定

2.ターゲット
  対象となる市場、そして顧客の年齢、性別、職業、家族構成までを考える。

3.商品
  メニューの種類、味つけ、ボリュームを決定しマーチャンダイジングを考える。

4.店舗・組織・スタッフ
  ブランド名となるネーミング、ロゴ、店舗エリア、空間も含めた店舗デザイン、
  コアメンバーのイメージ、接客スタッフイメージと教育方法、外部人材の活用

5.販促
  事業エリア、競合店を差別化できる販促ツール、ウェブ利用、メディア利用

6.投資計算
  施設設備などハード面の投資、雇用投資、マーケティング・販促などソフト面の投資

7.仕入・損出計算
  仕入高、販売費を算出する。

8.売上計算
  顧客単価、メニュー単価、稼働率、メニュー別売り上げ計画

9.損益計算
  バランスシート作成。3~5年の中期で損益に対するシミュレーションを行う。


基本戦略段階での真剣な討議がオーナーを勝者にする
ここまでを当社では基本戦略と呼んいますが、本来はレストラン・オーナーがやるべきことです。そしてこの後はレストラン・マネジメントに関するコンサルティングと進んでいくのですが、当社のフードビジネス顧客である欧米人/フィリピン人オーナーは、この基本戦略の中でこだわりを持っている項目には非常に細かく主張してきます。

当社のコンサルティングの狙いはそこにあるのです。

様々な視点から意見を交わすことになるので、当社もそれによって顧客と共に成長できる喜びが生まれます。


日本人オーナーの多くは計画段階での真剣度が薄い
しかし日本人オーナー希望者の問い合わせは多いのですが、彼らは面倒なことを考えるのは嫌がります。「金を払うのだから考えるのはお前らの仕事だろ」という感じです。当社としては基本戦略を考えることがマネージメントに繋がっていきますので、コンサルティング費用を節減してもらうためにも自分で先ず考えてほしいのです。しかしながらその説明をしていると「難しいことをやりたくないのでもういい」とか、「そんなことは実務を担当するフィリピン人(大体が見るからにビジネスが無理な女性)に言ってくれ」で話が終わってしまうのです。またそのようなフィリピン女性に任せること自体が無謀ですので、それが第一条件として頑として聞く耳を持たない方はこちらからお断りしているのです。

こういった日本人の方が当社に問い合わせをするきっかけは、そのフィリピン女性が当社の顧客からの口コミなどで日本人に勧めた結果、一度話を聞いてみようとなることが多いそうですが、私も頑固なのかもしれませんが無理なものは絶対に無理なので、最終的に当社では出来ませんとお断りしてしまいます。

フードビジネスを成功させるには大変なエネルギーを必要とします。そのエネルギーを出すことをオーナー自身が拒むのであれば、それはフィリピンにおける日本人の失敗の歴史に名を刻むだけなのです。


続く